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2012年12月21日
カテゴリ:受験シミュレーションストーリー
今日から冬休みに入った。何とも休みという言葉が似合わない“休み”だ。夏休みの時は、『今年の夏休みは大変だぞ!』と思いながらもわくわくしたいつもの長期休暇の雰囲気も残っていた。ところがこの冬休みはまったくそんなわくわく感はない。もちろんどこかに遊びに行く計画もないし、行きたいという感情すら存在しない。これが受験生というものなのだろうか。はたして私は“本物の受験生”として今を生きているのだろうか。普段通り7時に起床し、身支度をしながらそんなことを考えていた。
「智恵、今日も塾に早く行くの?」
学校は冬休みでも、塾の2学期の授業は今日まである。授業の始まりは6:50だが、学校が休みの日は早く行って自習や質問をするようにしている。
「うん、今日は2学期最終日だからお昼食べたらすぐに行く。」
「じゃあ、お母さん午前中ちょっと用事があるからお弁当は夕方持っていくね。」
「うん、わかった。いつもありがとう。ほんとに・・・。」
「どうしたの、あらたまって急に・・・」
「いや、別に・・・」
夕食のために一度家へ帰らなくても済むように、母はそのたびにお弁当を用意してくれる。コンビニで何か買うからいいと言っても、栄養が偏っちゃうからと、母に何か用事があるとき以外は必ず弁当を持たせてくれた。時には今日のように、夕方塾まで届けてくれる日もある。もちろん、塾の友達の中には、家が近いから帰って食事する人もいるし、コンビニで済ませる人も少なくない。でも、私のように、母親がお弁当を用意してくれる人もたくさんいる。
あれは夏期講習の時だった。数少ないリラックスできる食事の時間、濱口先生がしみじみを語ってくれた。
「谷川さん、幸せだねぇ。いつもお母さんがお弁当作ってくれるの?」
「はい、幸せ・・かなぁ」と実感のない返事をする私。
「だって不規則な講習会に合わせて、しかも栄養のバランスをきちんと考えられて、そんなに簡単なことじゃないよ。きっとさ、あなたの受験を全力で応援してるんだよね。」
「そーかなー。いつもなんだかんだで怒られてばかりだけど、わたし・・・。それに、頑張って○○高校に合格してね、みたいなことはうちの母言わないし。」
「お母さんと面談の時に話した印象ではね、はっきりとそういったわけではないけど、何となく気持ちがわかったような気がするな。お母さんの願いは、真星高校に合格するっていうゴールだけじゃなくてね、あなたが自分の希望をしっかりと定めて、途中であきらめずに頑張りとおすことでもあるんじゃないかな。そっちの願いの方が強いのかも。もちろんその結果としてあなたがの希望が叶うことを願っているんだと思うよ。お母さんが怒ったことって、あなたが何か投げやりになったり、何かをあきらめようとしたときじゃない?」
「うん、確かに。11月の北辰で社会が下がってしまって自信がなくなって・・・川口北に下げようかなってつぶやいた時だった。」
「失敗してもいいとはお母さんも考えてはいないと思うけど、やることを精いっぱいやらずしてあきらめてほしくなかったんでしょうね。だから、強制的に勉強させるよりも、英語や数学を教えるよりも、お母さんが得意なこと、お母さんにしかできないことをすることで谷川さんのことを全力で支えようとされているんじゃないかな。私にはそう思う。きっとあなたももう少し大きくなったらわかるわよ。だから、ありがたさを感じるかどうかはおいといても、あなたを支えてくれた多くの人の行為はしっかりと記憶しておくこと!きっとお母さんだけじゃないわよ。」
あれからもう4か月がたつ。
『感謝の言葉はゴールしてからでいい。いまは目の前の壁に全力でぶつかること!これがあなたを支えてくれている人たちへ報いる最も大切なこと!』
ともおっしゃっていた。
あのときは何となく実感がなかった。でも私の心の奥で、その言葉は芽を育てていた。その言葉の意味を心から実感できたのは、“いつの間にか一生懸命に立ち向かっている自分に気づいたとき”だった。黄金色に輝きながら舞い散るけやきの葉が冬の入り口を告げるころだった。
わたしは冬休みに入った今日、午後1時からよるの10時まで途中休憩を入れながらも、自学習と授業のため塾で勉強する。夕方母がお弁当を届けてくれる。ありふれた日常で当たり前のことと思っていた。でも、当たり前のことほど大切なことなんだなぁっと、今では思う。