中学受験に臨むお子さんに対して、親が取るべき基本姿勢は「伴走者」であるという意識です。主役はあくまでも受験生であるお子さま。親は監督でも監視者でもなく、受験という長距離レースを後方から支える存在であるべきです。
志望校の設定は「対話」がカギ
志望校の決定は、親が一方的に決めるのではなく、学校見学や資料収集を通じて子どもとしっかり話し合うことが大切です。親の希望を押しつけると、かえってモチベーションの低下を招く恐れがあります。あくまで「自分で選んだ道」という意識が、お子さんの努力を後押しします。
学習面での親の役割とは?
小学生、特に12歳前後の子どもが自力で学習計画を立て、実行していくのはなかなか難しいものです。だからこそ、学習計画の立案・見える化(カレンダー、グラフ、チェックリストなど)を親子で一緒に行うことが有効です。
また、模試の結果を受けては、点数だけで一喜一憂せず、
- 正答率の高い問題でなぜミスしたのか
- ミスの原因は何か
- 次回に向けてどう改善するか
といった前向きな分析を一緒に行うことが大切です。叱責ではなく、寄り添う姿勢が子どもの心を支えます。
メンタルケアと家庭の役割
メンタルケアも重要な要素となります。お子さん方がひとりの人間として認められている、「自己肯定感」を覚える場所として家庭が存在するべきと考えます。お子さんへの声かけは、まず「〇〇よくできたね」「〇〇がんばったね」など、具体的な成果や努力を認める声かけから始めるのが効果的です。家庭が「居心地のよい場所」、「失敗しても次に向けてがんばれる場所」として位置づけられると次なるチャレンジへの意欲が湧いてきます。
また、長い長い受験勉強の過程では、大きなストレスを感じることも少なくありません。そんなときに、「そんなことしているからダメなんでしょ」とか「それじゃ合格できないでしょ」といった否定的な言葉ではなく、「ちょっと疲れているのかな」とか「不安なことがあるのかな」といった声かけをすることで信頼関係がより深まります。
やる気を奪うNG行動とは?
以下のような言動は、子どものやる気を損ねてしまう可能性があります。注意しましょう。
- テスト結果だけに一喜一憂し、他の子と比較する
- 息抜きを許さず、常に勉強を強要する
- 子どもの受験なのに、親が過剰に熱くなってしまう
おしまいに
中学受験は、親子の協力が何よりの力となります。完璧を目指す必要はありません。ともに悩み、考え、支え合いながら走り抜くことこそが、親子にとってかけがえのない経験となることでしょう。
どうか、最後まであきらめずに、伴走者としての役割を大切にしていきましょう。