「苦手科目を全然勉強してくれない…。」
「苦手さえ克服してくれたら、もうワンランク上の高校を目指せるのに。」
苦手科目が克服できない原因は、過去の失敗体験によることがほとんどです。そのため、苦手を克服するには本人に自信をつけさせることがポイントといえます。
本記事では、苦手科目を克服するための5つのステップや、やる気を引き出すポイントについて紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
苦手教科を克服する5ステップ

苦手教科を克服するには、順序立ててアプローチすることが重要です。ここでは効果的な5つのステップを紹介します。
- 現状を分析して基礎を見直す
- 小刻みに目標を設定し時間管理を区切って勉強する
- 復習と反復学習をとりいれる
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 学習を習慣化し苦手意識を克服する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1. 現状を分析して基礎を見直す
苦手科目を克服するには、まず現在の理解度を正確に把握することが不可欠です。どの単元でつまずいているのか、どの基礎的な知識が身についていないのかを明らかにしましょう。
そのために、テストの結果や問題集の正答率を詳しく分析し、弱点分野を明らかにすることから始めることが大切です。とくに、今学習している内容の土台となる基礎部分の理解度を確認することが重要です。
数学であれば計算の基本ルール、英語であれば基本的な文法や語彙力といった根幹部分を見直します。基礎が不安定なまま応用問題に取り組んでも効果は期待できません。
学習の穴を発見し、どこから学び直すべきかを見極めることで、効率よく苦手教科を克服できます。
ステップ2. 小刻みに目標を設定し時間管理を区切って勉強する
苦手科目の学習では、大きな目標を一度に達成しようとせず、小さなステップに分けることが重要です。
1週間単位や1日単位で具体的かつ達成可能な目標を設定し、着実に進歩を実感できる仕組みを作ります。
たとえば「今日は基本公式を3つ覚える」「この章の例題を5問解く」といった明確な課題に落とし込みましょう。勉強時間を管理する際は、集中力が続く範囲で学習時間を区切るのがコツです。
苦手意識がある科目ほど長時間の学習は逆効果になりやすいため、短い時間でも毎日継続することを優先します。小さな達成感を積み重ねることで、学習に対するやる気を維持できるでしょう。
ステップ3. 復習と反復学習をとりいれる
苦手科目の知識を定着させるには、計画的な復習と反復学習が欠かせない要素です。一度学習した内容も時間が経つと忘れてしまうため、定期的に復習する勉強スケジュールを組みます。
具体的には、学習した当日・翌日・1週間後・1ヶ月後といった間隔で復習を行い、記憶の定着を図りましょう。同じ問題や概念を異なる角度から繰り返し学習することで、理解が深まり応用力も身につきます。
間違えた問題については専用のノートやファイルにまとめ、定期的に見直すことで弱点を確実に克服していく方法も高い復習効果が期待できるでしょう。
反復学習は単調になりがちですが、学習方法を変えたり問題の順序を入れ替えたりして変化をつけることで継続しやすくなります。
継続的な復習により、苦手だった分野も徐々に得意分野へと変化していくでしょう。
ステップ4. 小さな成功体験を積み重ねる
苦手科目を克服するには、小さな成功体験を意識的に作り出すことが大切です。最初から難しい問題に挑戦するのではなく、確実に解ける基礎レベルの問題から始めることで達成感を味わえます。
1問正解するごとに褒めるなどして、子供自身が成長を実感できる回数を増やしましょう。学習記録をつけて、昨日できなかった問題が今日は解けるようになったという変化を見える化するのもおすすめです。
テストの点数だけでなく、理解できた単元の数や継続した学習日数なども成果としてカウントします。また、家族に学習内容を説明できるようになったり、応用問題にチャレンジできるようになったりした瞬間があれば、すかさずほめてあげましょう。
小さな進歩でもそれを認めてあげることで、苦手意識が徐々に薄れ、学習への前向きな姿勢が生まれます。以前まで苦手な教科であっても、成功体験が繰り返されれば自信がついて自然に学習する意欲が湧いてくるでしょう。
ステップ5. 学習を習慣化し苦手意識を克服する
苦手科目を完全に克服するには、学習を日常生活の一部として定着させることが最終的な目標です。
毎日決まった時間に学習する習慣を作り、特別なやる気がなくても自然に行動できるところまで落とし込みます。
朝起きてからの30分間や夕食後の時間など、生活リズムに組み込みやすいタイミングを見つけて継続しましょう。習慣化が進むにつれて、その科目に触れることへの抵抗感や嫌悪感が薄れていきます。
定期的な学習により理解度が向上し、以前は困難だった問題も解けるようになることで苦手意識が払拭されます。
苦手教科を克服するために勉強のやる気を引き出すコツ

苦手教科を克服するために勉強のやる気を引き出すには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは効果的な5つのコツを紹介します。
- 勉強に取り組むハードルを下げる
- 苦手意識が小さい分野から取り組む
- 成果ではなくプロセスを評価する
- 得意教科と組み合わせる
- 塾を利用して親が干渉しすぎないようにする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
勉強に取り組むハードルを下げる
苦手科目への取り組みでは、勉強を始める際の心理的なハードルを可能な限り低くすることが重要です。まずは教科書を開くだけ、ノートに一行書くだけといった極めて小さな行動から勉強を促してみましょう。
その後、勉強に移行できなくても行動したことを認めてあげることがコツです。
また、勉強道具を常に手の届く場所に置き、思い立った瞬間にすぐ取り組める環境を整えておくことも学習習慣を継続させる重要なポイントです。
苦手意識が強い科目ほど、勉強を始めること自体が大きなストレスとなるため、その負担を軽減することが先決です。
小さな一歩を踏み出すことで学習への抵抗感が減り、自然に勉強を継続しやすい状況が生まれます。
苦手意識が小さい分野から取り組む
苦手科目のなかでも比較的抵抗感が少ない分野から学習を始めることで、取り組みやすくなります。
同じ科目内でも単元によって理解度や興味関心は異なるため、最も取り組みやすい分野から入りましょう。
たとえば「数字が苦手でも図形は理解できる」「英語が苦手でも単語暗記は得意」といった部分的な強みを見つけて活かします。
ひとつの分野で自信がつくと、その勢いで他の困難な分野にも挑戦する意欲が自然に湧いてくるでしょう。
部分的な理解から始めて徐々に学習範囲を広げることで、無理なく苦手教科を克服できます。
成果ではなくプロセスを評価する
苦手科目の学習では、テストの点数や成績といった結果よりも学習過程そのものを重視することが子供のやる気を維持するポイントです。
毎日机に向かった時間や解いた問題の数・理解しようと努力した内容など、取り組んだ行為自体を評価してあげます。
間違えた問題があっても、その問題に挑戦したこと自体を前向きに捉え、学習への姿勢を認めてあげましょう。
苦手教科は成果が出るまでに時間がかかるため、日々の小さな努力や継続した取り組みに目を向けることで挫折を防げます。
プロセスを重視してほめてあげることで、失敗を恐れずに挑戦する意欲が維持でき、長期的に学習を継続しやすくなるでしょう。
得意教科と組み合わせる
苦手教科の勉強を得意教科と組み合わせて学習すれば、心理的な負担を軽減できます。
1日の学習計画において、得意科目と苦手科目を交互に配置し、モチベーションの波をうまく活用しましょう。
得意科目での成功体験を思い出しながら苦手科目に取り組むことで、自信を保ちながら学習を進められます。
得意分野の自信が苦手分野の克服に挑戦しようとする気持ちを支えることで、全体的な理解度が高まる好循環が生まれるでしょう。
塾を利用して親が干渉しすぎないようにする
苦手科目を克服するには、塾などのサービスを活用して親子間で勉強に関するけんかやトラブルを軽減することが重要です。
家庭内で親が直接勉強を教えようとするとお互い感情的になりやすく、子どもの学習意欲を削いでしまう恐れがあります。
その点、塾の専門講師に指導を任せれば、親は子どもを見守る立場に徹し、子供の勉強に口を出して親子げんかに発展するきっかけを避けられます。
親からのプレッシャーが軽減されることで、子どもは自分のペースで学習に集中しやすくなるでしょう。
親子の間において適度な距離感を保つことで関係が良好に維持され、子どもの自主性や責任感も育まれます。
さらに、集団クラスに比べて個別指導なら、自分のペースで勉強できるので、効率的に弱点を克服して成績アップにつなげられます。
塾講師の指導により専門的なアドバイスを得られ、親子双方にとってストレスの少ない学習環境が整うでしょう。
親が子どもにどう関わるべきかについては、以下の記事を参考にしてみてください。
中学受験における親の関わり方 〜「伴走者」としての支援〜
苦手教科を克服するには成功体験を積ませることが大切!

苦手教科は、正しい勉強方法でアプローチすれば克服できます。
多くの生徒が苦手科目に対して「どうせできない」という固定観念を持っていますが、このように考えるのは過去の失敗体験が原因です。
たとえば、数学が苦手な生徒でも図形問題だけは正解できるという部分的な得意分野があるかもしれません。また、英語自体は苦手でも、単語はスムーズに覚えられるという生徒もいるでしょう。
小さな得意分野から学習を始めることで「自分にもできる」という感覚を取り戻せます。
成功体験が蓄積されると学習への意欲が高まり、より難しい内容にも挑戦する気持ちが生まれるでしょう。