2025年度の中学入試を振り返って

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2025年度の中学入試は、小学6年生の児童数が前年より減少する中でも、首都圏(1都3県)では過去最高となる受験率19.0%を記録しました。受験者数は推定で55,000人にのぼり、依然として中学受験への関心の高さがうかがえます(いずれも四谷大塚調べ)。

合格率は1都3県全体で41.5%と前年とほぼ同水準にとどまり、依然として厳しい戦いが続いています。

中でも公立中高一貫校の合格率は2割を下回り、こちらも例年並みの水準ではあるものの、高い競争率と根強い人気を維持しています。

埼玉県内に注目すると、特に開校2年目の開智所沢中等教育学校が大きな躍進を遂げました。1回の受験で開智グループ複数校から合格を得られる仕組みも手伝い、延べ受験者数や実質倍率は非常に高い数値を記録。試験回によっては、開智中学校本校の合格基準点を上回る場面もあり、大きな注目を集めました。

こうした激戦の影響により、例年であれば比較的早期に合格を確保できていた受験生が、思わぬ苦戦を強いられるケースも多く見られ、まさに試練のスタートとなった受験シーズンだったといえるでしょう。

さらに、4月の新学期を迎えるにあたり、埼玉県内では注目すべき動きがありました。

川口市立高等学校附属中学校の募集定員が80名から110名へと増員されるとともに、これまで市内に限定されていた募集エリアが、埼玉県全域へと拡大されることが決定しました。詳細は今後の発表を待つ必要がありますが、入試日程や志願者層の動向次第では、来年度の中学入試において大きな旋風を巻き起こす可能性もあります。

次回は、2025年度の公立中高一貫校受検に関する分析をお届けする予定です。変化の兆しが見える2026年度入試に向け、今後の動向からも目が離せません。