小学生の塾はいつから?学年別の通塾率や入塾タイミングの判断軸を紹介

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子どもの学習習慣や将来の受験を考えるうえで、「小学生の塾はいつから通わせるべき?」と悩む保護者の方は多くいます。低学年から始めた方がいいのか、中学年・高学年からでも間に合うのか…判断が難しいところですよね。

この記事では、小学生の学年別の通塾率や、入塾タイミングを考える際の判断軸をわかりやすくご紹介します。

小学生は塾にいつから通う?最新の通塾率を紹介

小学生の塾通いは学年が上がるごとに増える傾向があり、公立小学校では約4割、私立小学校では約7割が塾に通っています。

小中学生における通塾率は、文部科学省の調査によると以下のとおりです。

学年通塾率
小115.9%
小219.3%
小321.4%
小426.2%
小533.3%
小637.8%
中145.1%
中250.9%
中365.2%
参考:子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告|文部科学省

低学年のうちは、学習習慣の定着や基礎学力の強化を目的で塾に通わせるケースがよくあるようです。また、中学受験を見据えている場合は、小3や小4あたりから塾に通い始めます。

一方、公立中学校に進学する場合は中学生から通い始めることが多く、高校受験を見据えた中学3年生は過半数が塾に通うという結果となりました。

【目的別】小学生の子どもを塾に通わせるおすすめの時期

小学生の子どもを塾に通わせるタイミングを理解するには、以下の3つの要素が欠かせません。

  • 中学受験対策の場合
  • 学習習慣をつけさせたい場合
  • 英語を習得させたい場合

順に解説します。

中学受験対策の場合

中学受験対策として塾に通う場合、最も一般的な開始時期は小学3年生の2月です。この時期は塾の新学期スタートにあたり、多くの進学塾で中学受験に向けた本格的なカリキュラムが始まります。

中学受験に必要な学習期間は3年間とされており、小学4年生から6年生までの3年間で段階的に受験に必要な学力を身につけるカリキュラムが組まれています。

難関校を目指す場合はより早いタイミングから塾に通い始めるケースもあり、基礎学力と学習習慣を幼いころから定着させることが主な狙いといえるでしょう。

中学受験にはげむ子どもとのかかわり方については「中学受験における親の関わり方 〜「伴走者」としての支援〜」の記事を参考にしてみてください。

学習習慣をつけさせたい場合

子どもに学習習慣を身につけさせたい場合は、できるだけ早い段階から塾に通わせるのがおすすめです。幼い頃ほど新しい習慣や生活リズムにも柔軟に順応でき、学びの定着も早い傾向があります。

とくに、学習すること自体を日常の一部として定着させることが目的の場合、小学校低学年から塾に通い始めるのが適しているでしょう。

塾の授業を通じて決まった時間に机に向かう経験を積み重ねることは、家庭だけでは身につきづらい規則正しい学習スタイルの形成に役立ちます。

英語を習得させたい場合

英語を習得させたい場合は、小学1〜2年生のうちに英語学習を取り入れましょう。小学生の時期は聴覚が柔軟で、英語特有の発音を自然に吸収しやすい時期です。

とくに、7歳頃までに英語を学ぶことで、発音や文法の感覚をより自然に身につけやすい傾向があるとされています。高校受験対策としてリスニング力を伸ばしたい場合も、低学年のうちからの学習が効果的です。

0〜5歳の幼児期に英語に触れることが最も理想的ですが、小学生からでも十分な効果が期待できるとされています。

小学生の子どもが通う塾の選び方

小学生の子どもが通う塾を選ぶ際には、以下の3つのポイントに注目する必要があります。

  • 授業形式に問題はないか
  • 講師の質・相性が子どもとあっているか
  • サポート体制が手厚いか

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

授業形式に問題はないか

塾の授業形式は主に集団指導と個別指導に分かれており、子どもの性格や学力レベルに合わせて選ぶことが重要です。

集団指導は、1人の講師が15人から30人程度の生徒に対して一斉に授業を行う形式で、学年別や習熟度別にクラス編成されます。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境が整っており、競争意識でモチベーションが上がる子どもや学校の授業についていける学習意欲の高い子どもに向いています。

一方で、個別指導は講師1人が1~4人程度の生徒を教える形式で、子ども一人ひとりの理解度や学習ペースに合わせたオーダーメイド式の授業が受けられるでしょう。

集団指導は授業が進んでしまうと周りの子から遅れる恐れがある一方、個別指導は競争意識が生まれにくいという点がデメリットとして挙げられます。

講師の質・相性が子どもとあっているか

講師の質と相性は塾選びにおいて最も重要なポイントのひとつであり、成績の伸び方やモチベーションの変化に大きな影響を及ぼします。

講師のタイプは性格や指導スタイルによって大きく異なり、優しく寄り添うタイプから厳しく引っ張るタイプまでさまざまです。

学習意欲が低い子どもには親しみやすく質問しやすい講師が適しており、一方で学習意欲の高い子どもには知識や経験が豊富な落ち着いた講師が合っているでしょう。

そのため、講師を選ぶ際は専門性と指導経験・指導スタイル・子どもとの相性の3点を確認することが重要です。

無料体験授業を活用して実際の授業を受講し、子どもが質問しやすい雰囲気か、やる気を引き出してくれるかなどを直接確認しましょう。

サポート体制が手厚いか

塾のサポート体制は子どもが学習を継続し成績を向上させることに直結します。とくに、精神的にまだ幼い小学生の場合は、周囲の大人のきめ細かな配慮が求められるでしょう。

確認すべきポイントは、集団塾で授業を欠席したり理解できなかったりした場合のフォロー体制や振替授業の有無です。また、定期的な個別面談を通じて学習状況や勉強方法・進路相談ができる機会があるかどうかも重要なチェック項目といえます。

保護者との連携体制が整っていることも塾選びの判断材料です。

塾と密に連携できれば、子どもの変化を敏感に把握するだけでなく自宅学習の進め方や志望校の情報についても共有できるため、安心感があります。

小学生はいつから塾に通わせるのかを迷う親が抱えるよくある疑問

「小学生はいつから塾に通わせるのか」というテーマに関する主な疑問は以下の3つです。

  • 「小4の壁」って何?子どもの学力の分岐点
  • 子どもが「塾、嫌だ」と言ったら辞めさせるべき?
  • ほかの習い事とどのように両立させる?

これらの疑問にどのように対処できるか、順を追って解説します。

「小4の壁」って何?子どもの学力の分岐点 

小学4年生という時期は「10歳の壁」や「小4の壁」と呼ばれ、学力の大きな分岐点になるタイミングです。この時期を境に、学習内容は基礎的な知識の「暗記学習」から、思考力が必要な「応用学習」へと大きく切り替わります。

算数では面積計算などの図形問題が本格化し、国語では複数の段落から主題を読み取る文章読解力が求められるようになります。小4の壁を越えられない子どもと、しっかり乗り越える子どもとでは、その後の学力格差は広がり続けることになるでしょう。

だからこそ、小学4年生から塾に通い始めることは非常に重要です。塾のサポートを受けながら家庭学習の習慣を整え、3年生までの基礎をしっかり復習することで「小4の壁」を確実に乗り越えられるでしょう

子どものやる気を引き出す方法については「苦手科目を克服する5ステップ!やる気を引き出すコツも紹介」の記事を参考にしてみてください。

子どもが「塾、嫌だ」と言ったら辞めさせるべき?

子どもが「塾、嫌だ」と言ったとき、すぐに辞めさせるべきかは理由によって判断が分かれます。まずは、子どもがなぜ塾を嫌がっているのか理由をしっかり聞くことから始めます。

「塾の指導方針が合わない」「講師との相性が悪い」「学習環境や雰囲気が合わない」といった場合は、塾を変えることも含めてやめることを検討してもよいでしょう。

一方で「単に疲れている」「友達と遊びたい」といった一時的な感情の場合もあるため、話し合いを通じて子どもの本音を見極めることが大切です。

無理に通わせてストレスを抱えさせるより、適切な学習環境を見つけることを優先することをおすすめします。

ほかの習い事とどのように両立させる?

塾以外に、ピアノやサッカーなど週に複数回のレッスンがある場合、ほかの習い事の予定を考慮しつつ無理なく両立できるかが悩みの種になるでしょう。

この場合、子どもの興味や学びを邪魔しないようにそれぞれの活動について優先順位を見直し、必要に応じて一部習い事を減らすことも選択肢のひとつです。

一方、学業とそのほかの習い事が相互に刺激となって意欲が高まるケースもあります。

子ども本人が塾以外の習い事を続けたいのであれば、スケジュール調整や家庭でのサポートを通して、無理なく両方伸ばせる環境を作ることを心がけましょう。

小学生が塾に通うタイミングは目的によって変わる

小学生が塾に通う最適なタイミングは、通塾の目的によって大きく異なるため一概にはいえません。

中学受験対策が目的であれば、小学3年生の2月からの通塾がおすすめで、多くの進学塾がこの時期から3年計画で受験カリキュラムをスタートします。

また、学校の授業のフォローや補習を目的とする場合は、成績が下がり始めたと感じたタイミングで通い始めるとよいでしょう。

周囲が通っているからと焦って決めるのではなく、目的を明確にしてタイミングを見極めることが大切です。