成績が伸びる理由がここに!
科学的根拠に基づくスクール21の
指導で
身につく力とは。

中学生|数学

中学生|数学
数学 9つの力を鍛えます。

スクール21の考える数学における「基礎力」とは?

基礎力とは、基礎的な問題を解くために必要な力ではなく、それをあたりまえに解ける力です。これは応用問題を解くためにこそ必要な力です。より多くのことを「基礎力」にすることが難関高校突破のために最も大切なことといえるでしょう。この基礎力を身につけるために、スクール21では次の4つの力を学習します。

知識の習得

何かを知っている力ですが、それだけでは不十分です。この力はおおまかにわけて3つの段階があります。まず、「イヌを見てイヌとわかる」のように、言葉とものごとを一致させるという段階です。次に「ネコを見てイヌでないとわかる」のように、別のものごとと「区別する」という段階、最後に「その違いを説明できる」といういわゆる「理解した」という段階です。人は知識を基に思考します。そのため、知っていることが多いほど思考の幅が広がります。また、単純な知識に限らず問題のパターンそのものを知っていれば処理を省くことができます。しかし、そのためには2つめの「区別する」という段階までは知識を深めなければなりません。このような知識の習得こそが基礎力の第一歩といえます。

処理技能の習得
処理技能の習得

知識にそって再現する力です。この力のうち最も基礎になる力が「計算する力」ですが、それに限らず公式やパターンにしたがって立式することもこの処理技能に含まれます。数学の知識が単なる暗記と違うのは、この「再現する力」が必要になる点です。知識によってその問題の解き方がわかったとしても、その通りに処理ができなければ答えにたどり着くことはできません。問題に正解するためにはまず、「知識の習得」と「処理技術の習得」の両方が必要なのです。

速く正確な演算処理力
速く正確な演算処理力

第2の力を速く正確に行う力です。知識とその処理技能が身についていれば問題を解くことはできますが、それだけで十分に基礎力がついたとはいえません。それらを速く正確に処理すること、あたりまえにこなすことが必要です。応用問題を解く際にも基礎の部分に時間をかけていては求められるレベルまで到達できるはずもありません。そのためにも、基礎にはできるだけ思考をはさまず高速かつ自動的に処理する必要があります。もちろんミスも許されません。このようなあたりまえに処理できる内容を広げることが、基礎力完成への道です。

あの問題だ」という即座のパターン認知力

知識の習得による区別を、問題に対して即座にする力です。問題を速く正確に解くためには、それがどんな問題かを即座に把握し、そのうえで処理をしなければなりません。普段は単元学習がほとんどであるため、解き方やパターンの把握は容易です。しかし、試験ではそうはいきません。どのような出題がされるかというヒントがないままに解くことになるため、この「パターン認知力」が足りないと、身につけた第3の力を振るうことができずに不正解となってしまいます。これができてやっと「基礎力」として身についたといえます。

スクール21の考える数学における「論理的思考力」とは?

スクール21の考える数学における「論理的思考力」とは?

論理的思考力とは、まだパターン化されていない問題について,自分で筋道を探し正解までたどり着く力です。これは数学に限らずすべての発展的学習に通じる力で、これからの学習に必要とされる、「未知の状況にも対応できる」力でもあります。この論理的思考力を身につけるために、スクール21では数学を通じて次の5つの力を学習します。

イメージする力(=見える化する力)(事象や図形を図示する)

2つの関連した数量の関係などを、線分図のような見える形に表したり、表に整理したりする力です。ものごとを考えるとき、それについての理解があいまいなままではうまく考えることができません。目に見えないもの、あいまいなものについてはっきりとした形を与え、扱いやすくするのがこの「イメージする力」で、思考力型の問題を解くための道具のような力といえます。

想像する力(もし〜なら、・・・だ)
想像する力(もし〜なら、・・・だ)

何かを仮定してその整合性を考える力です。思考型の問題は、問題から答えに至る道がわかりやすい一本道にはなっていません。「もしこの道を進んだら行き止まりだからこの道は間違いだ」のような試行錯誤を繰り返すことでに道を減らし、最後に答えにたどりつく問題もあります。スマートな解き方を覚えるだけではだめなのです。

言い換える力(〜ということは、つまり・・・)
言い換える力(〜ということは、つまり・・・)

何を満たせばよいか判断し問題を単純化する力です。例えば、「2でも3でも割りきれる数」という言葉は「2と3の公倍数」と言い換えられますし、もう一歩進むと「6(2と3の最小公倍数)の倍数」という条件に整理できます。複雑に見える問題でも、その内容を単純で基礎的な内容に言い換えたら基本問題になるということも少なくありません。

たどる力(〜だから、・・・)
たどる力(〜だから、・・・)

与えられた条件から、「AだからB」「BだからC」のようにわかることを広げていく力です。また、「AとBだからC」「AだけどBでないからDJのように、複数のことからも条件は広がります。その広がりが答えに近づくとは限りませんが,それは実際に入試などで問題を解く際も変わりません。広げた先に、想像する力やひも解く力を使って答えまでたどり着くのです。答えに近づくかわからなくても、わかることを広げられるようにしましょう。

ひも解く力(〜であるためには、・・・)

答えのためにどんな条件が必要かを考える力で、第8のたどる力と対になる力です。「これがわかれば答えがわかる」、あるいは「これがわからなければ答えがわからない」のような「答えからたどる力」ともいえます。答えからたどることで、そこまでの道が劇的に見やすくなるということは少なくありません。

中2数学の指導例|「平行と合同」

図形問題、苦手にする子ども達がたくさんいます。
確かに、図形問題は難易度が高い問題も多く、子ども達にとって取りかかりにくい分野と言えるでしょう。数学は、「考える」ことがより必要とされる教科です。そこで前向きに取り組んで考えるのと、嫌々取り組んで考えるのでは、結果は大きく違ってきます。
少しでも子ども達に楽しく前向きに取り組んでもらうため、効果が期待できるのが「ネーミング」効果です。
例えば、「三角形の外角」について、 下の図のようなものがあります。

中2数学の指導例

スクール21では、これを「スリッパ」と名付けて生徒に指導します。
問題を解く際に、「ヒントはスリッパだよ」というと、子ども達は一生懸命探して考えます。
この「ネーミング」というのは、子ども達が前向きに楽しく取り組めるという効果以外に、実は大切な学習方法なのです。

何かひとかたまりの概念を覚えるときには、そのかたまりにラベルにあたる名前をつけておくと覚えやすく、思い出しやすくなるのです。上の例で言えば、「三角形の1つの外角は、その隣にない2つの内角の和に等しい」という定理なのですが、言葉でそのまま覚えるのは大変ですね。
そこで、「スリッパ」という言葉でこの定理の内容が無意識に自然に想起できるようにするのです。
さらにこのラベルが日常的で、視覚的なイメージをともなっていればいるほど、今度は覚えやすくなるのです。そんな意味では「スリッパ」というネーミングはこの定理には最適ですね。

また、学習の効率化という点でも「ネーミング」は大切です。日常的なネーミングで言えば、パソコン操作において「マウスの右側を押しながら、マウスは机上に置いたまま、目的の場所まで動くようにマウスを左右にスライドさせてください。」と説明するのに、「ドラッグ」というネーミングがあれば「ドラッグしてください。」で済みます。

つまり、説明の効率が上がり、他の大切な事柄に集中できるのです。
ここで少し雑談ですが、こんな図形の性質もあります。

中2数学の指導例

これは、「ブーメラン」と名付けて指導しています。
ただ、ある子どもは「カーナビのマーク!」と言いました。時代を感じますね…。それと同時に、子どもの豊かな発想力も感じられます。

このように、多少の遊び感覚で、楽しんで前向きに取り組むことができるのです。そして、子ども達にインパクトを与え、記憶に残すことができる、記憶をよみがえらせることができるのです。
このような力が「第4の力:「あの問題だ」という即座のパターン認知力」です。

中学生|国語

中学生|国語
国語 7つの力を鍛えます。

スクール21の考える国語における「読解力」とは?

換言力(「A。つまりB。」「B。たとえばA。」)

要点(抽象)と例(具体)の関係を整理して文章の内容をとらえる力です。説明的文章の多くは、「筆者が伝えたいこと(一要点)」と「要点を伝えるためのわかりやすい説明(一例)」で成り立っています。「筆者が、どのようなことを例にして、どのようなことを伝えようとしているのかを読み取る」―「換言力」は、文章読解におけるこの究極の目標を達成するための根幹となる力です。また、この力は「言い換えをとらえる力」も意味しています。国語読解問題のほとんどは「本文の言い換え」を解答として求めていますから、この「換言力」は将来の難関校入試突破のために欠くことのできない力でもあるのです。

対比力(「A。それに対してB。」)
対比力(「A。それに対してB。」)

比べられている事柄同士の関係を整理して文章の内容をとらえる力です。文章の筆者はしばしば複数の事柄を対比しながら文章を書き進めますが、これは自分の伝えたいことを際立たせる上で非常に効果的な手段です。なぜなら、他のものと比べてみることで、あるものの性質なり価値なりがより明確になるからです。「筆者が何と何を対比して、どちらを際立たせ、何を伝えたいのかを読み取る」―これは、文章の構成を把握しつつ筆者の主張を読み取ることに他なりません。「対比力」は、文章のこのような把握や理解を可能にする、強力な武器なのです。

因果力(「A。だからB。」「B。なぜならA。」)
因果力(「A。だからB。」「B。なぜならA。」)

原因と結果の関係(因果関係)を整理して文章の内容をとらえる力です。文章の筆者は、自分の主張を読み手に理解してもらおうと、「なぜそうなのか」「だからどうなのか」と筋道を立てて文章を展開していきます。この筋道をたどって筆者の主張に迫っていく力が「因果力」です。この力はまた、物語など文学的な文章を読解する際にも重要な役割を果たします。「登場人物がどのような出来事に出会い、その結果どのような気持ちになり、その気持ちは結果としてどのような言動に表れているか」一人の心という一見とらえどころのないものを扱った文学的文章ではありますが、感覚でもセンスでもなく筋道立てて読み解くことを、「因果力」は可能にします。

語彙力

文章の内容を理解する上で欠くことのできない言葉の力です。人は、言葉を使わずに考えることができません。したがって、人の考えや思いを受け止める(=読解する)にも、それ相応の語彙力が求められます。説明的な文章の場合には、「自然と人工」「個人と社会」といった「対義語」が、読解する上で重要な手がかりとなっています。また、文学的な文章の場合には、「うれしい」「悲しい」などを基本とする「心情語」の知識が不可欠です。言葉とその意味を単に覚えるだけではなく、文や文章の中で、他の言葉と関連づけながら語彙を増やしていくのはもちろんですが、言葉は使ってみて初めて身につくものでもあります。インプットするだけでなく、アウトプットする(=その言葉を使って表現する)ことも、「語彙力」強化のためのポイントです。

スクール21の考える国語における「記述力」とは

スクール21の考える国語における「記述力」とは

主述力(分かりやすい文を書く)

記述力(というよりもむしろ、日本語の表現力)の根幹をなす、主語述語などの係り受け(=文節同士のつながり)が整った「文」を書く力です。日常生活の中では当たり前のように「単語」や「フレーズ」に接する(あるいは発する)ものの、言葉を「文」の形で表現する機会は、残念ながら多くありません。このような現状の中、埼玉県公立高校の学力検査問題は、国語に限らず「記述」が大きなウェイトを占めています。もちろん「単語」や「フレーズ」、もしくは記号で答える問題もありますが、「文」の形で説明することを要求する問題が数多くあるのです。さらに国語では、本文をそのまま書き写したのでは正解することができず、本文とは言葉の順序を入れ換えて(一係り受けを変えて)記述しなければならない問題が見られ、ここで大きな得点差がついています。「主述力」は、日本語表現力の根幹であるとともに、入試での得点力にも大きな影響を与えるものでもあるのです。

文脈力(主張を伝えられる文章力)
文脈力(主張を伝えられる文章力)

文と文を正しく結びつけて、筋道の通った「文章」を書く力です。「一文」だけでも何かを主張することは可能ですが、それでは読み手を納得させることはできません。なぜそう考えるのかといった理由づけや、それを支える具体例が書かれていて、初めて説得力を持つ文章となるのです。埼玉県公立高校の国語学力検査では、課題作文でまさにこの点が問われます(しかも100点満点のうち16点という高配点です)。一つの文で何らかの考えや思いを表現したとき、あるいはある考えや思いを表す一文が与えられたときに、「なぜそうなのか」「だからどうなのか」「例えばどういうことか」を考え、文を書き加えていく一このようにして身につけていく「文脈力」が、難関校合格のためのカギとなるのです。

要約力(「つまり...」と言える力)

文章の中心となる内容をまとめる力です。文章の要点を正しくとらえる読解力を前提としていますが、とらえた内容をそのまま書き連ねるのではなく、文脈を整えながら一つの文章として再構築する力です。文章を読んで「何となくわかった」状態を、「わかった。要するにこういうことだ。」というレベルにまで引き上げる力でもあります。埼玉県公立高校の国 語学力検査で出題される文章 (特に論説文)は、全国レベルで見てもかなりの長文で難易度(抽象度)も高いものとなっており、「何が言いたい文章なのかまるでわからない」という受検生も少なからずいるほどです。「要するに、こういうことだ。」という理解を可能にする「要約力」は、難関校合格をより確かなものとする力なのです。

中2国語の指導例|「このときの登場人物の気持ち」

「このときの登場人物の気持ちを、次の中から選びなさい」

登場人物の気持ちを問う記号問題は入試でもよく出題されます。
「記号を選ぶだけなので記述よりもラク」と考える生徒が多いのですが、意外と間違えます。
間違える原因はさまざまですが、最も多いのは次のような誤解です。
「『気持ち』を聞かれたら、選択肢の最後に書かれている『気持ち』をチェックする」。
間違ったことはしていませんね。でも、これではきちんと正解できないのです。

中2国語の指導例

正解は「エ」。
本文に描かれている「状況」は、「(二郎が)いくつか年上の兄の友人とサッカーをしている」→「同級生の健太がうらやましそうに見ているのに気づく」です。
この状況の中で二郎は、「わざと声をかけない」・「『ボールが固いから健ちゃんにはまだ無理だと思うよ』と心の中でつぶやく」という「言動」をとります。
これらの状況と言動から、健太に対する二郎の「優越感」を読み取ることができます。声をかけて健太も一緒にサッカーをすることになるとこの優越感は崩れてしまうので、声をかけないのですね。

この問題は極端に正答率が低いわけではありません。ですが、ここで注目したいのは正解できなかった生徒の多くが「イ」を選んだ、ということです。
「どうして『イ』を選んだの?」と聞くと、「『わざと声をかけない』っていうのは『意地悪してやろう』ってことだと思ったから」と答えます。

このような生徒は、選択肢を次のように見ている場合が多いのです。(横線は読んでいないことを示します)
ア まだ本格的なサッカーができるほど体力のない健太を思いやりながら、気づかぬふりをしようと思っている。
イ いつもわざと遅れてきてはうらやましげな態度でサッカーを見る健太に対し、意地悪な気持ちになっている。
ウ 自分よりもサッカーが上手な健太に声をかけると交代させられてしまうのではないかと、不安に思っている。
エ 健太と違い自分は年上の少年たちと遊んでいるのだという優越感を、このまま味わっていたいと思っている。

「気持ちを表す言葉だけ」を見て判断しようとするのですね。その結果、「わざと……してやらない」という表現と最も近い関係にありそうな「意地悪な気持ち」をふくむ「イ」を選んでしまうのです。

でも、「意地悪な気持ち」そのものは間違いではありません。ではなぜ、「イ」は正解とならないのでしょうか?

この問題を正解できなかった生徒の多くが選択肢の中で「読まなかった」部分をだけを取り出してみましょう。
ア まだ本格的なサッカーができるほど体力のない(健太)
イ いつもわざと遅れてきてはうらやましげな態度でサッカーを見る(健太)
ウ 自分よりもサッカーが上手な(健太)
エ 健太と違い自分は年上の少年たちと遊んでいるのだ

もうお気づきですね。生徒の読まなかった部分は主に「状況」を説明した部分ですが、ここに本文との「明らかな食い違い」(__の部分)があるのです。

気持ちを説明する選択肢は、多く「状況+気持ち」という構造を持っています。
このうち「状況」は、「本文に書かれている」ことをそのまま引用したり言い換えたりしているだけなので、「食い違い」があるかどうかを厳密にチェックすることができます。
一方「気持ち」は、本文中に直接表現されていない場合が多く、まったく見当はずれの「心情語」が書かれていない限り、いわば「グレーゾーン」です。厳密なチェックは難しい。

問題作成者は選択肢を紛らわしくするために、わざと本文と食い違いのある状況説明を選択肢の前半に置くことが多いのです。

「気持ちの選択肢は、まず『状況』をチェックせよ!」
―このことを徹底すれば、意外とすんなり正解を選ぶことができます。

中学生|英語

中学生|英語
英語 7つの力を鍛えます。
語彙力

語彙力は、4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)すべての基礎です。中学校では 2021年に施行される学習指導要領では、学習する語数が1,200語から1,600~1,800語へと大幅に増えます。小 学校で学習する単語が600~700語ですから、小中合わせると、2,200~2,500語に触れることになります。語彙 には、「受容語彙」(リーディング・リスニングで理解できる語彙)と「発信語彙」(ライティング・スピーキングで使える語彙)があります。2,200~2,500語というのは主として「受容語彙」の語数ですから、すべての単語を正しく書くことは求められているわけではありません。繰り返し何度も触れることにより、受容から発信へと転換させていく必要があります。また、「語」だけでなく、「連語」や「慣用表現」を習得することも英語力向上のために必要です。

文法力
文法力

「文法なんて勉強しても意味がない」という意見をよく耳にします。しかし、日本語と英語では言語構造が全く異なるため、「文法」というルールをマスターしていなければ、英語を「正しく」理解し、使用することはできません。特に「品詞」と「文構造(文型)」の理解が不十分だと、「なんとなくわかる」というレベルで停滞してしまうでしょう。それほど難しい英文が出てこない中学生のうちに、しっかりと「品詞」と「文構造(文型)」も含めて「文法」を固めておく必要があります。なお、中学校では2021年に施行される学習指導要領では、「主語+動詞+目的語+原形不定詞」、「現在完了進行形」、「仮定法」などが、高等学校学習指導要領から移行されます。

速読力
速読力

制限時間内に読解問題を解ききるためには、英語の文章を速く読む力=「速読力」が必要です。「速読」とは、英語を日本語に「訳す」のではなく、内容を理解しながら「読む」ことです。例えば、I learned there are about two hundred and fifty kinds of urushi trees around the world. という英文であれば、「わたしは、世界中に約250種類の漆の木があることを学びました。」と訳すのではなく、「わたしはlearnした、あるということを、約250種類のurushi trees が、世界中に」のように読むということです。このように、返り読みをして逐次きれいな日本語に変換するのではなく、英語の文章をある程度のカタマリごとに前からそのまま読んでいくことが必要なのです。

精読力
精読力

読解問題で設問に正解するためには、「速読」だけでなく「精読」も必要です。「精読」とは、文構造を把握して日本語に「訳す」ことです。特に、日本語記述問題では、本文中の該当箇所を見つけ、過不足なく正確に(代名詞が何を指すのかを明確にして)和訳してまとめることが必要となります。実際の英語の文章では、簡単に理解できる箇所と構造が複雑で読み取りにくい箇所があるのが通例です。「速読」と「精読」を使い分けながら読まなければ、時間内に解いて合格点に達することは難しいでしょう。

聴き取る力
聴き取る力

まず、「リスニングも苦手」と「リスニングが苦手」は大きく異なります。「リスニングも苦手」である場合は、基礎となる「語彙力」や「文法力」をつけることが優先されます。では、「リスニングが苦手」である場合は、何が原因なのでしょうか?まず、語の綴りと発音を一致させらないことが挙げられます。例えば、beenはビーンでなくビンと発音されることを知らない人が多いのではないでしょうか。また、小学校の外国語科では「ゆっくりはっきりと」話されることが示されており、聴き取りやすい英語に触れます。しかし、中学校では「はっきりと話されれば」となっており、過度に遅くなく自然なスピードに近い音声を聞きとることが目標とされます。自然なスピードでは、「音の連結」・「音の脱落」・「音の変化」などが起こります。例えば、When I はゥエン・アイではなくゥエナイと発音されます。こういったことを知らなければ、文字では理解できても音声では理解できないということになるのです。

書く力
書く力

英作文には大きく「和文英訳」と「条件英作文(自由英作文)」の2種類があります。「和文英訳」は与えられた日本語を英語に翻訳する問題です。日本語を1語ずつ英語に変換するのではなく、日本語を変形してから英語に変換する問題が多いでしょう。既習の語彙や文法事項を利用すれば書けるように作られているため、既習事項をマスターしていれば、日本語→日本語→英語という手順を踏むことによって正解となる英文を書けるでしょう。それに対して、「条件英作文(自由英作文)」は与えられた条件にしたがって自分で考えて英語で表現する問題です。条件を満たしていればどんな内容を書いてもよいのです。こういった問題を解くとき、日本語で内容を考えてそれを和文英訳しようとする人が多いと思います。しかし、これは日本語と英語のレベルが同じくらいの人でなければ難しいのではないでしょうか。日本人であれば、英語よりも日本語のほうがレベルが高いことが通例なので、日本語で考えたことを英語に変換することが難しいことが多いはずです。中学生は学習しない語彙・文法があるので、そもそも不可能な場合も多々あります。試験本番では使用できない和英辞典や翻訳サイトを使って学習してもほとんど意味はありません。知っている語彙・表現を組み合わせて、「減点されない答案」を作成する力が必要です。そのためには、英作文で役立つ語彙や表現をしっかり身につけ、それらを組み合わせて答案を作成する練習が必要なのです。

話す力

「話す」という場合、「talk(やり取り)」と「speech(発表)」の2つがあります。「speech」では「書く」ことが「話す」ことに変わるだけなので、「書く力」を鍛えることが重要です。いっぽう、「talk」では相手がいるので、相手に聞き返したり、相づちをうったり、質問に応答することなどが必要になります。会話特有の表現や場面に応じた表現方法を知っておかなければなりません。その上で、話すという活動を数多く体験することが、「話す力」を養成するためには必要です。

中2英語の指導例

生徒たちの答案に I read book every day. というのをよく見かけます。冠詞a をつけ忘れているのですが、「あっ、a をつけ忘れた。ケアレスミスだ。」で済ましていることが多くはないでしょうか?ケアレスミスで済ませているだけでは、こうした誤りはなかなか無くなりません。
むしろ I read book every day. という英文に出会ったときに、何か違和感を感じて欲しいところです。
こうした違和感を持ってもらうためには、名詞を指導するとき、意味や綴りだけに注力することなく「名詞はひとり歩きできない」ということをしっかりと指導しておきたいものです。つまり book ではなくて、 a book とか booksとかでやっと一人前になるということです。名詞には「お助け単語」がいるのです。
お助け単語はa や複数形の s の他に my, your, this … などいくつかありますが、いずれにせよ「名詞はひとり歩きできない」というイメージをしっかり身につけておくことが大切です。

中2英語の指導例

さらに加えて覚えて欲しいのは、お助け単語が2つ以上あると、それは「助けすぎ」になってしまうということです。つまり「お助け単語は1つだけ」ということです。
どうでしょうか? I have son and two daughters. という英文を見たとき違和感を感じ、半人前の単語があるのが分かりますよね。