中2数学の指導例|「平行と合同」
図形問題、苦手にする子ども達がたくさんいます。
確かに、図形問題は難易度が高い問題も多く、子ども達にとって取りかかりにくい分野と言えるでしょう。数学は、「考える」ことがより必要とされる教科です。そこで前向きに取り組んで考えるのと、嫌々取り組んで考えるのでは、結果は大きく違ってきます。
少しでも子ども達に楽しく前向きに取り組んでもらうため、効果が期待できるのが「ネーミング」効果です。
例えば、「三角形の外角」について、 下の図のようなものがあります。

スクール21では、これを「スリッパ」と名付けて生徒に指導します。
問題を解く際に、「ヒントはスリッパだよ」というと、子ども達は一生懸命探して考えます。
この「ネーミング」というのは、子ども達が前向きに楽しく取り組めるという効果以外に、実は大切な学習方法なのです。
何かひとかたまりの概念を覚えるときには、そのかたまりにラベルにあたる名前をつけておくと覚えやすく、思い出しやすくなるのです。上の例で言えば、「三角形の1つの外角は、その隣にない2つの内角の和に等しい」という定理なのですが、言葉でそのまま覚えるのは大変ですね。
そこで、「スリッパ」という言葉でこの定理の内容が無意識に自然に想起できるようにするのです。
さらにこのラベルが日常的で、視覚的なイメージをともなっていればいるほど、今度は覚えやすくなるのです。そんな意味では「スリッパ」というネーミングはこの定理には最適ですね。
また、学習の効率化という点でも「ネーミング」は大切です。日常的なネーミングで言えば、パソコン操作において「マウスの右側を押しながら、マウスは机上に置いたまま、目的の場所まで動くようにマウスを左右にスライドさせてください。」と説明するのに、「ドラッグ」というネーミングがあれば「ドラッグしてください。」で済みます。
つまり、説明の効率が上がり、他の大切な事柄に集中できるのです。
ここで少し雑談ですが、こんな図形の性質もあります。

これは、「ブーメラン」と名付けて指導しています。
ただ、ある子どもは「カーナビのマーク!」と言いました。時代を感じますね…。それと同時に、子どもの豊かな発想力も感じられます。
このように、多少の遊び感覚で、楽しんで前向きに取り組むことができるのです。そして、子ども達にインパクトを与え、記憶に残すことができる、記憶をよみがえらせることができるのです。
このような力が「第4の力:「あの問題だ」という即座のパターン認知力」です。