小6算数の指導例|「速さ」の指導法
「速さ」の問題というと真っ先に思い浮かぶのは、速さの3公式ではないでしょうか。簡単な速さの問題ではこれを使うことですぐに解くことができます。しかし、単位が「速さ」と時間で違うものや、「旅人算(出会い・追いつき)」になるととたんに分からなくなってしまいます。これは指導者が速さとは「単位時間(1時間・1分・1秒)あたりに進む道のり」であることを伝えることを軽視し、公式の暗記に注力してしまっているためです。
スクール21ではすべて暗記に頼るのではなく、「本質」にふれて理解するよう、指導しています。
次の例を使って、実際の指導例を紹介しましょう。

1)「1時間あたり何m進むのか」を聞かれているので、
80÷2=40 答え 時速40km
(2)「1分あたり50m進む」と何分かかるのか、を聞かれているので、
200÷50=4 答え 4分
(3)「1秒あたり4m進む」と何m進むのかを聞かれているので、
4×25=100 答え 100m
このように公式に頼らなくても「速さの意味」を理解していることで解くことができます。

まず、分速60mを「1分あたり60m」と理解することが大切です。そうすれば誰でも「1分あたり60m進むと2時間で何m進むか」と聞かれて、60×2とはしませんよね。
2時間を120分と直し、計算します。よって、
60×120=7200 答え 7200m
と求めることができます。
このような単位が違う速さの問題が出たとき、公式の暗記に頼っていると「60×2=120」としてしまうのです。

(1)2人は「1分あたりどれだけ近づくのか」を考えます。太郎君くんはB地点に向かって「1分あたり50mずつ」進み、次郎くんはA地点に向かって「1分あたり70mずつ」進みます。
すると二人は1分あたり50+70=120mずつ近づくことがわかります。
よって、
600÷120=5 答え 5分後
と求めることができます。
(2)(1)と同様に「1分あたりどれだけ近づくのか」を考えます。花子さんは駅に向かって「1分あたり60m」進み、お母さんは駅に向かって「1分あたり80m」進みます。
すると、2人は1分あたり8060=20mずつ近づくことが分かります。また、お母さんが家を出発したとき、花子さんは60×2=120m進んでいるので、
120÷20=6 答え 6分後
と求めることができます。
このように速さの問題は「本質」を理解してれば、基本的な問題から応用問題まで、公式を何個も暗記することなく解くことができます。