小5算数の指導例|「割合」の指導法
「割合」というと難しいイメージがあります。それは文章自体が難しい、「もとにする量」「比べる量」が分からないといった原因があります。では、そもそも割合とは何でしょうか。
割合とは「何倍かを考えること」です。こう聞くと小学校3年生まででやっていたことと変わらないように感じますよね。ただ、3年生までと違うところは「Aから見たB」と「Bから見たA」の両面を考えることです。このどちらにせよ、「どちらから見て何倍なのか」をとらえることが大切です。この見ている方を「もとにする量」、見られる方を「比べる量」というのです。スクール21ではこの理解を徹底させます。どのように指導するのか、例をあげながら見てみましょう。

①イメージをする

②イメージを式にする
このように図にすると(1)の場合は「Aくんの10こ」から見て「Bくんの20こ」が何倍なのかを求めればよいことがわかります。つまり式にすると、10×□=20になります。ですので、
20÷10=2 答え 2
となることが分かります。
同様に、(2)は「Bくんの20こ」から見て「Aくんの10こ」が何倍なのかを求めればよいことがわかります。
式にすると、20×□=10になります。ですので、
10÷20=0.5 答え 0.5
となることがわかります。

①イメージをする

②イメージを式にする
図を式にすると□×0.9=720になります。□を求めると、
720×0.9=800 答え 800kg
となることが分かります。

①百分率、歩合
百分率はもとにする量を100%とみて比べる量が何%なのかを、歩合はもとにする量を10割として○割○分○厘として表します。どちらも小数に直すことで計算しますので、小数に正しく直せるよう、トレーニングを積ませます。
②日本語表現
文章題では「~をもとにすると」と丁寧には書いてくれません。「~に対して」や「~を○○すると」といった具合です。表現はたくさんの問題にふれて学ぶ他はありません。
多くの問題にふれて「どちらから見ているのか」をとらえる練習をしていきます。このように割合は「どちらから見るのか」をとらえることが最重要です。言葉の言い換えだけではただの暗記になってしまうので、「イメージ」で理解できることが大切です。